アフリカの世界遺産 | 旧市街と古代の遺跡

■スーダン

スーダンは、アフリカ北東部、ナイル川の上・中域に位置する共和国で、アフリカでは3番目に大きな国土を持っており、国土の中央東よりを白ナイルと青ナイルが貫通し、沼沢地帯が広がっています。
歴史的には、5世紀頃にキリスト教を受容し、その後16世紀にイスラム化しましたが、紀元前後まで古代エジプト王朝の支配と黒人国家の支配を交互に受けた地域でした。その歴史を物語る古代の遺跡が世界遺産に登録されています。

スーダンの世界遺産は、「ゲベル・バルカルとナパタ地域遺跡群」があります。ゲベル・バルカルはスーダン北部にある高さ98メートルの小山で、この周辺にある神殿と宮殿が世界遺産として登録されています。古代この地を支配した古代エジプト王朝・黒人国家ともに、ゲベル・バルカルを最高神アモンのすみかとして崇めたことから、この周辺にさまざまな建造物がつくられたと考えられています。

アフリカで最も有名な川と言っても過言ではないナイル川とアトバラ川の間に位置する「メロエ島の考古遺跡群」も世界遺産として登録されています。こちらは、前述の黒人国家であるクシュ王国の遺跡と考えられており、ピラミッドや神殿などの建造物が残っています。発見された遺物から、地中海からアフリカ中心部との交流の跡がみられ、その勢力の大きさを物語っています。

■リビア

リビアは、北アフリカに位置する共和制国家で、北は地中海に面しています。歴史的には、紀元前8世紀前後、フェニキア人やギリシア人が植民都市を建設し、その後はローマ帝国の支配を受け、7世紀にイスラム化しました。この歴史から、リビアには世界遺産として登録されている重要な古代遺跡が多いですが、そこから3つの世界遺産を紹介します。

リビアの首都トリポリの東にある「レプティス・マグナの古代遺跡」は、北アフリカ屈指の古代ローマ都市遺跡として世界遺産に登録されています。紀元前4世紀にカルタゴが地中海の一大勢力となって、その後フェニキア人が入植し、建造したものと言われています。

「ガダーミスの旧市街」はリビアのオアシス都市で、先住民が紀元前8世紀頃に建設を始めたとされ、古代ローマからビザンツ時代を経て発展を続け、7世紀頃には「砂漠の真珠」とも呼ばれ繁栄を極めました。全長7キロメートルの城壁で囲まれた旧市街が世界遺産に登録されています。

「キュレネの考古学遺跡」は、紀元前7世紀にギリシアから移住してきた人々がアフリカ大陸に築いた都市のひとつです。地中海貿易で発展したと言われ、パルテノン神殿に匹敵する大規模の神殿も発見されており、当時の栄華が偲ばれます。ちなみに現存する遺跡の多くは、ローマの植民都市となった際に再建されたものであり、ローマ都市として再建されたギリシャ都市の優れた遺跡として、世界遺産に登録されています。

■ベナン

ベナンは、西アフリカにある、南北に細長い共和制国家です。歴史的には、17世紀にヨーロッパ商人との奴隷貿易を主な収入源として大きく繁栄した「アボメー王国」にさかのぼることができます。

ベナン唯一の世界遺産である「アボメイの王宮群」は、アフリカの原住民フォン人たちによって築かれた土製の建築物で、1985年に世界遺産に登録されました。奴隷によって繁栄した経緯から、この辺りは「奴隷海岸」と呼ばれたそうです。

■マリ共和国

マリ共和国は、西アフリカにある内陸国です。この国の歴史は4世紀に成立したガーナ王国に始まり、8世紀には交易で大変栄えました。そのころの面影を今に伝える、かつて「双子の姉妹」と称された2都市「ジェンネ旧市街」「トンブクトゥ」が世界遺産として登録されています。この2つの世界遺産は川伝いに500キロメートル離れています。

「ジェンネ旧市街」の「ジェンネ」は、「水の精霊」の意味を持ち、町の中央にある高さ20メートルの日干しレンガの大モスクは圧巻です。

「トンブクトゥ」は、塩と金、象牙との交易で繁栄し、最盛期には「黄金の都」と呼ばれました。また、この都市名は、当時のヨーロッパ商人から「異国」や「遠い土地」の比喩として使われ、到達するのが困難なこの都市についてのさまざまな伝説が伝えられたようです。